まるで確認するように

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それから、再び目を覚ますと物凄く広い豪華絢爛な部屋に座らされていた。 天井にはこれでもかってくらい大きなシャンデリアが、部屋の中央に恐ろしく長いテーブルが置いてある。俺はそこの一番端にいた。 ふと後ろを振り向くと、ルナが立っていた。少々ビビりながらも話しかけてみる。 「あ、あのー、ルナさん?」 ルナの青い綺麗な目が、この世で一番下等な生物を見るかのように冷たく突き刺さる。 「…クソ虫がっ……何ですか?」 「うんまぁ、最初の言葉は聞かなかったことにしよう。してここはなんなんだ?」 「…見て分からないんですか?本当にどうしようもないですね」 まったく、と溜め息をつきながら答えてくれた。 「…食堂です。もうじきベルゼブブ様がご帰宅なさります。その時に食事の席で話があるとのことです」 ベルゼブブから話か。まぁ、これからの俺の行動についてなどだろう。 そういえば、俺は自分の部屋で気絶したんだよな。ってことはルナがここまで……?お姫様抱っこでか? 「ルナ、お前がここまで運んできてくれたのか?」 「…えぇ」 あ、やっぱり良い奴だったんだな。口ではあぁ言ってるけど根は優し─── 「…もちろん引きずって」 前言撤回ーっ! 危ない危ない。危うく騙されるとこだった。だから身体中がヒリヒリしてるのか。 そんな会話をしている中、部屋中やけにハエが飛んでいるのに気が付いた。それに俺が気付くと同時に食堂の窓が開き大量のハエが食堂内に入ってきた。 「うわっ!なんだよこれ!」 俺が大量のハエにビビっている中、ルナは冷静だった。なんであんな無表情でいられるんだよ!女の子なんだからもっと「きゃーっ!」とか「いやん、虫は苦手なの☆」みたいなこと言えんのか。 そんなことを考えていると、ルナは無表情のまま俺の肘の関節を外してきた。それはもう手際良く綺麗に外された。
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