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いつもの様にベッドの端に座って窓の外を見る。
変わらない風景。
煩い車の音。
雪が残る歩道を厭そうに歩く人。
チカチカと赤から青へ、青から赤へと変わる信号。
歩き出す人。
走り出す車。
何回も何回も、繰り返してる。
雲が流れてる。
蒼白く澱んだ空に流れてる。
ゆっくり、ゆっくり。
まるで私の思考の様に。
まるで私の中を流れる血の様に。
ドロリ、ドロリと、ゆっくり流れてる。
車の流れが止まり、音が無くなる。
静かな部屋に、私の心臓の音だけが響く。
――ドクン ドクン…
『生きている』
そんな、無意味な実感が沸いてくる。
雲が流れてる。
規則を正してる様に、左から右へ、流れてる。
心臓の音以外、なにも音が無い部屋。
そんな毎日ばかり。
いつか、心が決壊してしまいそうだ。
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