いつもと変わらない、空。

3/10
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
空が、うっすらと茜色を帯てくる。 それでも空は、雲は、変わらずに流れてる。   日が暮れていく。 夜に変わる。   ドクンドクンドクン…   鼓動が早くなる。 息苦しさを感じる。   何故か私は、日が暮れる焦燥感に駆られている。 苦しい、苦しい…。   ギュッと両方の肩を抱いて、息苦しさに耐える。 ――どうしてこんなに苦しいの…   ポタポタと、涙が溢れ落ちる。 誰も居ないのに、声を押し殺して、泣いている。   茜色に染まる空は、灰色と紅を混ぜた雲を流しながら、窓の外から私を見下す。     霞む視界に、冬の冷たい風が、街路樹を微かに揺らしてる。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!