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空が、うっすらと茜色を帯てくる。
それでも空は、雲は、変わらずに流れてる。
日が暮れていく。
夜に変わる。
ドクンドクンドクン…
鼓動が早くなる。
息苦しさを感じる。
何故か私は、日が暮れる焦燥感に駆られている。
苦しい、苦しい…。
ギュッと両方の肩を抱いて、息苦しさに耐える。
――どうしてこんなに苦しいの…
ポタポタと、涙が溢れ落ちる。
誰も居ないのに、声を押し殺して、泣いている。
茜色に染まる空は、灰色と紅を混ぜた雲を流しながら、窓の外から私を見下す。
霞む視界に、冬の冷たい風が、街路樹を微かに揺らしてる。
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