いち

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いつも仏頂面でたまに笑ったと思えば愛想笑い。 本当に笑ったりなんかしないで、人前では泣いたりなんかしない。 ―それが僕の彼女、梨彩。 梨彩が笑わないのは、それなりの理由がある 梨彩には《癌》がある。 内蔵癌で今はいろんなとこに転移しているらしい。 一昨年、癌の摘出手術が行われたけどその後転移が発覚。 梨彩自身はその後の治療を拒否。 今は治療も手術もしないで普通に学校に通ってる。 でも週に一回は病院に行ってるらしい。 本人的には強制連行されてるらしいけど。 僕が梨彩と付き合い始めたのは去年。 丁度高2になったばかりの時だった。 高校に入ったばかりの時に彼女を知って一目惚れ。 一度告白してふられたんだけど、諦めきれずにまた告白。 その時初めて癌の事を言われた。 「私は寿命が短いけどそれでもいい?」って。 ビックリしたけど寿命なんて関係ない。 寿命が短かったら嫌いとか、そんなんで恋愛する気はないから。 もちろん僕が出した答えはOK 彼女は少しビックリしてたけど軽く微笑んで 「後悔しても知らないよ」って。 後悔なんかしないのにさ。
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