いち

4/4
前へ
/16ページ
次へ
「ねぇ、私が死んだら泣く?」 学校帰りのいつもの道で、梨彩は僕に唐突に訊いてきた。 「泣くよ。好きな人が死んだら悲しいもん。」 僕は当然のようにそう答える。 そしたら梨彩は 「和也らしいね。私、和也のそうゆうとこ嫌いじゃないよ」 って落ちていく夕日を眺めながらそう言った。 梨彩は絶対『好き』って言わないから、回りくどい言い方になる。 でも、それが梨彩の『好き』だから別に気にしてない。 そしてその一週間後 彼女の容体は急変した。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加