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あれから私のお腹は徐々に大きくなってきている。
重いものを持とうものなら怒られ、家事をしようものなら心配されている。
いつだったか『家政婦を雇おう』と言われたが、動かないと逆に困ると懇々と説いた。
司さんはあの日手渡した“新米パパが慌てない為に”という本を何十回と読み直している。
絶対慌てるだろうと予測して買ったのだが、この調子だと意味は無いかもしれない。
(まさか育児休暇取るとか言わないわよね?)
司さんは仕事から帰ってくると必ず念入りに手洗いとうがいをして私のお腹に手を充てる。
「司さん確実に親バカになりそうですね」
と私が笑って言うと司さんも苦笑しながら言った。
「確実だな。自分でもその自信がある」
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