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二人で顔を見合わせて笑い合う。
それがもうすぐ三人になる。
「瑠璃…幸せか?」
ふいに司さんが聞くので力強く頷いた。
「勿論これ以上なく幸せです」
司さんは私の言葉に満足した様で幸せそうに笑った。
「昔…読んだ本で書いてあった」
「何がですか?」
司さんは私を軽く抱き寄せた。
「結婚って結ぶ婚姻って書くだろ?でも本当は結ぶ魂って書いて“結魂”って読むべきじゃ無いのかって」
“結ぶ魂”か…
「素敵な読み方ですね」
「魂が引かれ合って結ばれるってやつだな」
私は司さんにもたれ掛かりながら心音を聞いていた。
「当時読んだ時は馬鹿にしてしまったんだがな…今じゃ笑えない」
「…私達も魂が引かれ合ったんですよね?」
そう聞くと司さんは低く笑って『勿論』と言ってくれた。
それに安心する様に司さんの心音に耳を傾ける。
いつか分からないけど、この心音が消えてしまう日が来る。
だけども魂がまた引かれ合ってきっと彼と会える。
また彼と…司さんと“結魂”する為に。
そんな風に確信し微かに笑みを浮かべた。
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