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「ママ~」
「はいお帰りなさい」
「ただいまぁ」
ニヘラァと笑う我が子に『何て締まりの無い顔だ』と呆れながら見ていた。
あれほど瑠璃に似た子を切望したにも係わらず、息子はどんどん俺に似てくるらしい。
会う人間会う人間皆口を揃えて『司そっくり』と言いやがる。
何故だ…何故なんだ…。
瑠璃に良く似た我が子…欲しい。
だからといって、息子に愛情が無いわけじゃ…いやこの頃は……。
思い返せば、瑠璃に抱きつけば間に入り、瑠璃にキスしようとすれば体当たりされ……邪魔だ…。
我が子のくせに邪魔しやがって。
川崎にでも一日押し付けてやろうか?
そんな考えを悪魔的な息子によって途切れさせられた。
「パパ」
「何だ?」
「ママとデートしてくるから留守番してて」
勿論、却下だ!
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