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「音が鳴ったら、渡っちゃいけないのよ」 私は、踏み切りの警報機が鳴ったので、ひろ君の手を強く握り立ち止まった。 「えー、みんな、まだ渡ってるよ。ほら、大人の人も」 ひろ君は、中年のサラリーマンや、婦人、大学生らしき若者達などが、踏み切りを渡っているのを指差して言った。  足を止めたのは、私達、親子だけで、みんな早足で線路を渡っている。  最後に渡った女性は、踏み切りの遮断機が下がっているのを、押し上げて向こう側に渡った。
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