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「俺は、見えるか見えないかのギリギリがいいんだ!」
「…………!」
『変態よ……(ヒソヒソ)』
『変態がいるわ……(ヒソヒソ)』
『死ねばいいのに……(ヒソヒソ)』
周囲の女子から何やら囁(ササヤ)き声が聞こえたが、何を話しているのかは解らなかった。
だが、これだけは解る。
俺に惚れたに違いない。
「…………気持ちは、痛いほど解る……!」
ムッツリーニも同意見だった。やはり話の解る男だ。
それでこそ同志というもの。
「確かにパンチラなどのチラリズムも好きだ。萌えのオーソドックス、『しましまパンツ』はまさに現代の神が生み出した賜物と言えるだろう」
「…………その姿、まさに奇跡のシロモノ」
「ああ、そうだ。そしてこの時代にはそれに『制服』という萌えの武装が生まれたということだ!
この二つの要素を合わさったことで、小さな萌えが絶大な萌えに変化したという点。
これはある意味で兵器と言えよう。
その兵器と謳われる写真、俺は確かにこの手中に収めたい……!
だが、最近になって俺はあることに気が付いた。それが、『見えるか見えないかのギリギリのアングル』だ。
考えてもみろ。確かにパンチラは素晴らしい。しかし、俺の提示する『ギリギリ』……まさに紙一重というわけだが、その『ギリギリ』という部分が、俺はそそられるのだ!
パンツを見れるのもまた眼福だが、そのパンツを妄想するのもまた乙だとは思わないか?
ギリギリのライン、彼女は一体どんな下着を着けているのだろうか……。
……彼女はパンツを?
……それともスパッツ?
……はたまたジャージ?
……まさかのノーパン!?
この期待と昂揚(コウヨウ)で膨らむ妄想はまさに無限大と言えるだろう。
ところで、名探偵なコ○ン君をご存知か? 一説によると、彼は西の高校生探偵の男子と一緒に、海水浴場で海に浸(ツ)かり戯(タワム)れる女の子達姿を見て、水着の色を想像して当てるという、頼もしき行為に興じていたという!
まさにそれと同じだ!
俺は彼らのように、ギリギリのラインで見え隠れする下着をあらゆる方向で妄想したいのだ!
そのギリギリが杉崎鍵というエロを加速させ、成長していく!
わかるか!? ムッツリーニ! この俺、杉崎鍵の熱いパトスを……!」
「……………(コ、コクコク!)」
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