第一問

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日めくりカレンダーを毎日サボることなく、順調に主旨に則ってめくり続ければ、その日は既に6月の上旬を示していた。 地球自身の体温が例年に比べて上昇しつつあるせいか、この季節においてはつくづく過ごしにくい時期だと実感せずにはいられない。 つい二ヶ月前の出来事なのだが、過ごしやすかった4月がそこはかとなく遠くに感じられた。 これでもかと降り注ぐ梅雨の雨と、登校中に必死こいて坂を上る俺達を皮肉るように見下ろす陽の熱が余計に億劫(オックウ)さを引き立てる。 尚且(ナオカ)つ、今週のスケジュールはぎっしりと試験返却日というブラックウィーク。 教師たちが俺の解答に赤いペケを付け終わった頃合いであるわけで、当然廊下の掲示板にこれみよがしに成績優秀者と成績劣等者の点数も貼り出されるわけだ。 くそ忌ま忌ましい。ああ、忌ま忌ましい。 俺のスクールライフに追い討ちを掛けるふざけた要素に一つずつ文句を垂らしながら、正門へと吸い込まれるように入る在学生達に便乗するように、俺は二年用の下駄箱へと重い足を運ぶ。 時間もまだ予鈴すら鳴っていないから、別段に急ぐこともないだろう。 というわけで、俺はアパシーシンドローム並みの無気力さでのたのたと教室へ向かった。 「ん? あれは……」 あまり生徒がいない廊下をボケーっとした表情で踏み締めていると、何やら職員室の横にある掲示板にやたらと生徒がたかっていた。
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