バカとハルヒと生徒会

第一問

生徒の掲示板に集まる視線や、口々に自らの点数を友達に曝している蛮勇野郎や、テストを交換し、互いに頷き合う連中。

ああ、もう成績順位表が掲示板に貼り出されいるのか。

しかしよくもまぁ職員室の前だというのに恥ずかしがりもしないで自分の点数をカミングアウトできるもんだ。

知りたくもない点数を無理やり聞かされ、下手くそなゴルフをする社長の機嫌を損ねないよう努力する接待社員のような、苦しい愛想笑いやフォローをする片割れを見ながら、俺も興味だけで掲示板の表へと近付く。

成績順位で頂に君臨する奴らや、ある意味でワーストの頂に君臨する猛者の名前を確認するのも吝(ﾔﾌﾞｻ)かではないし。

人だかりを掻き分けながら、俺も周囲の奴らと同じようにマヌケ面の状態で上に向けた。

総合１位：霧島翔子

２位：杉崎鍵

３位：姫路瑞希

４位：久保利光

５位：椎名深夏

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８位：涼宮ハルヒ

「…………」

当然のように、アイツはアイツでいらん実力を発揮したようで、いつものように上位のバケモノ達と共に名を連ねていた。

どうやら天の神は間違えて、アイツにいらん要素を二物も三物も与えてしまったらしい。

ここまで理不尽な現実を目撃すると逆に清々しく思える……とまでは到底思えず、心の底から順位が下がり狼狽するハルヒの表情を見てみたいという希望が俺の中で生まれた。