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しかしだ。ここで一縷の希望を持っているのは何もハルヒの好成績の有無だけではない。
そもそもの確認は、俺が成績劣等者のリストに名を君臨させているかどうかだ。
頼むぜ、教師ども。
もし俺の名前があった日は、俺もハルヒの後に続いて暴れてやる。
世に言う理不尽というものをとくと味わってもらおうじゃないか。
心にもない心境を採点者である教師の愚痴に添えながら、一抹の不安を掻(カ)くように、俺は成績劣等者の順位表に足を向かせる。
「よう、キョン。お前も来てたのか」
人込みを掻き分けながら、そいつは俺に近付く。
所狭しと溢れる生徒に息苦しさを感じたのか、ヨレヨレのネクタイを引っ張りながらニヤついた笑顔で接近するアホ谷口。
そのふざけた笑顔はなんだ。
まるで今まさにリストを見て来たような面だ。
いつも某超能力者野郎とは別の種類の皮肉百%配合な笑顔でいる奴が、今日はその倍以上に俺に振り撒くということはまさかと思うが。
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