第一問

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――同時刻―― 「……雄二」 「隠し事はしていないぞ」 「……まだ何も言ってない」 「そうか。んで、俺の部屋に何の要だ?」 「……ただ遊びに来ただけ」 「わざわざ着替え途中の俺にクロロホルムを嗅がせて、意識を失ったとこをトランクス一丁で縛り上げる行為が、ただの遊びだと?」 「……これは警察ごっこ」 「シュールな逮捕劇だな。で? 本当はそんなことじゃないんだろ?」 「……確認しに来た」 「確認? 何を?」 「……試験の結果」 「どうしてまたいきなり」 「……妻は夫の全ての内情を知る義務がある」 「勝手に結婚させるな」 「……だから、見せて」 「断る、と言ったら?」 「……脚力には自信がある」 「バ…ッ! ちょっ、やめろっ! 股間は蹴るべき場所じゃねぇ…ッ! 脅しか!? これは脅しなのか!?」 「……脅しじゃない。雄二のためをもって言っただけ」 「そう思ってるならせめて服だけでも着させろ!」 「……それはできない」 「何故!?」 「……要求を呑んだら、犯人の思うツボ」 「お前はまだ警察のまね事をしてたのか」 「……警察に逆らったら、目を潰す《ブスッ》」 「ぎゃぁああっ!目が、目がぁぁっ!」 「……こうなる前に早く見せて」 「なってる! もう既になってる…っ! ていうか、今俺は持ってない!」 「……どこ?」 「燃やした」 「…………」 「や、やめろっ! 無言でトランクス脱がすな…!」 「……大丈夫、安心して」 「これのどこで安心しろと!?」 「……脱がすのには慣れてる」 「お前は変態か!? うおぉぉいっ! だから脱がすなぁ!」 「……変態じゃない」 「ならその手を離せ!」 「……じゃあ、見せて」 「だから今は持ってな――わかった…ッ! 出す! 出すから!」 「……本当?」 「あ、あぁ。後で出してやるから……」 「……なら、約束して」 「約束?」 「……破ったら、親の力で入籍させる」 「強行手段か!」 「……成績が低い場合も、然(シカ)り」 「死力を尽くそう。この命に変えても」
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