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新学年になって、二ヶ月。
振り分け試験を終えて、二ヶ月。
そして観察処分者になって、二ヶ月。
どうやら一部のバカだけしか知られていない観察処分者の噂は次第に学校中に広がり、もはやそれを知らない生徒自体が少なくなっていた。
そんなたった二ヶ月過ぎただけなのに、僕らの通う学校は再び試験という最悪な渦中に飛び込まなくてはいけない。
それが校風といえども、一学生の僕たちにとってはやっぱり遊びたい、束縛された場所から離れたい、そんな衝動に駆られるわけで。
だから僕は―――
「吉井、最期に言いたいことはあるか?」
「やだなぁ、鉄じ――じゃなくて、西村先生。それじゃあまるで、僕がまさに先生の手で殺されるみたいな発言じゃないですか」
実行に移そうとして、その数秒で、あろう事か鉄人にバレた。
問題児である僕を常日頃からマークしていたからか、その甲斐あったと言わんばかりに、鉄人はターゲットの僕を逃しはしなかった。
僕の意見に対して珍しく笑顔を作る。
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