巨匠堕つ

3/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「ソニン、そこの棚の上にある丸い筒をとってくれ。」 ソニンは棚の上からちょうど拳がはいるくらいの丸い筒をアフリカ橋に渡した。 アフリカ橋は筒を手にはめ叫んだ。 「空気砲!!ドカン!!ドカン!!」 ソニンは泣き崩れた。 「師匠、アフリカ橋師匠!!私はまだあなたの背中を追っていたい!!もうだめだなんて言わないでください!!まだ私の師匠でいてください!!」 アフリカ橋は微笑んだ。その微笑みは優しさのさいたるものだった。 そしてしずかにアフリカ橋は息をひきとった。 アフリカ橋が息をひきとった瞬間、森中のメスのニホンカモシカが彼の死を悲しんだ。 師匠の静かな死をむかえ、ソニンは決意した。 「師匠、私はまだ未熟者です。しかし、絶対にあなたをこえる作品をつくってみせる!!」 そしてこの一年後、ソニンは森で出会った青年とE!E!JUMPを結成。「おっととっと夏だぜ」で一代センセーショナルを巻き起こすことになる。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!