あっ！お相撲さんだ！

ラボ

ここはフィレンツェにあるイグロウリ生物学研究所。
主に養殖用の豚の品種改良を研究している。

研究員はイグロウリ所長の他に、助手のネーメとアタルトゥの三人とゆう男だけの小規模な研究所だ。

彼等は数頭の豚を観察飼育しており、その他にも猪を一頭飼育していた。

基本豚は研究が終わると食肉用にしたり牧場に寄付したりと入れ替わりが激しいのだが、猪はそれらと違い研究所創立からずっと同じ一頭が飼育されている。その猪にはオクトーブとゆう名前がつけられて研究員からは可愛がられていた。

「おはようオクトーブ、今日も１日よろしくおねがいするよ。」
そう毎朝話しかけるのは所長のイグロウリだ。

日に三回の餌やりはネーメが行い、小屋の清掃はアタルトゥが担当した。

「もしもオクトーブに感情があるとしたら、きっと私達を仲間と思ってるに違いない。私達がオクトーブを仲間だと思っているように。」

イグロウリはよくそう喋っていた。

ある冷え込んだ冬の朝、アタルトゥが一番先に研究所につくとそこには異常な光景がひろがっていた。