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(とんでもない事になっちまった…!)
それが要の素直な感想だった。
あの女が言ったように、今度の事件が起こり、前の二つの事件、そして9年前の真相にも近付けたのは確かだ。だが、同時に、自分次第で人々を窮地へと追い込むやもしれぬ状況になってしまったのも、これまた事実。
それは決して大袈裟などではなく、既に核爆弾の発射タイマーが作動したも同じ。こうしている間にも、破滅へのカウントダウンは刻一刻と刻まれ、阻止出来るか否かは、解除キーの手掛りを知る自分のみ…。
そう思うと要は、非常に重大な責務を背負わされ、この上なく重い重圧で、全身が圧し潰されてしまいそうだった。
そんな要と同じ空間では、沼津と南雲宗吾が対峙していた。
「馬鹿な!何故、私が父を!?」
「だが事実、あんたは、大勢の前で親父さんを刺してるんだ。言い逃れは出来んのだよ」
沼津は無実の訴えをする宗吾に、冷静且つ、厳しく言った。
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