第八章 重なった三重奏

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「今、9年前に室山が所属していた弁護士事務所に聞きこんできたが、そこの所長の神崎弁護士によると、室山の奥さんとゆうのが南雲家の遠縁にあたるらしい」 「南雲家の遠縁と室山が?」 「ああ、しかも、その縁談を取り纏めたのが南雲宗治だったそうだ」 「なんですって!9年前に室山が籍をいれたとゆうのはわかってましたが、じゃあ、南雲宗治と室山は親しい間柄だったんですか?」 「いや、そうゆうわけではないらしい。所長の話しでは、9年前の幼女殺人の弁護を引き受けたのを境に、宗治自らから室山にモーションをかけてきたそうだ。それまで二人は面識すらもなかったみたいだと言っていた」 「面識すら、もですか…」 「ああ、だが、おかしいのはそれだけじゃない。結婚を進めると同時に、南雲は室山に独立をけしかけ同意させると、神崎事務所には引き抜き料と称し、多額の金を払ったそうだ」 付け足すように、村木は言った。
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