第八章 重なった三重奏

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「金を…そこまで南雲宗治は室山の弁護士としての腕を買ってたんですかね」 「いや、そうではないな。引き抜き料と偽ってはいるが、南雲は、当時、室山が抱えていた案件が目当てだったようだ」 「案件とゆうと、つまり、幼女殺人の弁護もですよね?」 「ああ、その幼女事件の弁護を継続して室山にさせるよう、執拗に話しを進めてきたそうだ」 「そこまでして幼女事件を…まさか!」 要は呟きながら、フと、さっきの車上の演説での出来事が頭に浮かんだ。 あの時、宗吾に乗り移っていた”ヤツ“は、息子の罪を、父である宗治が隠蔽したと言っていた。それは、宗吾が世間に知られてはまずい事件に関与していたと考えられるが、その隠蔽した罪とゆうのが、9年前の幼女殺しなのだろうか。 しかし、その事件に、箕輪と室山は、最低でも刑事と弁護士とゆう立場上、タッチしてはいるが、宗吾はどう結びつくかが大いなる疑問だ。
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