第八章 重なった三重奏

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しかし、要の方は、少々、興奮気味だ。これで箕輪、室山、南雲の三人が繋がったのだ。その上、箕輪と南雲の接触時期が幼女事件と重なれば…。 「その二人が接触してたのは、幼女事件が起きた直後じゃないですか?」 要は嫌な想像を頭に描きながら、確認するように聞いた。 「ん、ああ、犯人が逮捕される数日前だそうだ」 「やはり…!」 村木の答えに、要は益々、興奮した。 これで完全に繋がったのだ。残念だが、箕輪が裏で手回しして貰ったとゆう噂は本当だろう。 恐らく、箕輪は南雲宗治と何らかの密約を交し、その見返りに、警察署長の椅子を用意して貰ったと思われる。 それについては、室山も同様だろう。彼もまた独立と南雲家の親族との籍入れで、地位と権力を手にした。 それらがさし示すものは、ただ一つ…。 幼女事件に携わる二人が、南雲宗治に何らかの依頼をされ、それに協力したものだと想像出来る。
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