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俺にはよく解らなかった
銃撃音が止んだときにようやっと意識がはっきりとした。
父さんも母さんも、もうすでにどこにもいなかった。
肉片と血
ただそれだけが俺の回りに散らばっていた。
頬に生暖かな液体がついていた。
触るとヌルリとした。
「少年、君に選択肢を与えよう。」
ジュラが俺を見下しながら、すぐ目の前で言った。
「私のもとで働くか、今、この場でそこの愚かな肉塊のように死ぬか……どちらが良い?」
肉塊……死…………?
「…………………し……」
「ん?」
「人殺しっっっ!!」
「………………………………………………………………………………………………………………………ほう?」
長い沈黙のあとジュラが眉を寄せる。
「残念だよ、君くらいの美少年なら私のもとに置いてやっても良いと思ったのだがね。」
ジュラがスッと左手を上げる。
終わる……
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