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人間らしい人間は全く見当たらなく、
先程から出会うのは"破綻者"や"異常者"だけ
この町で何かが起こっているのは紛れもない事実だった
何処かぴりぴりする空気、つんと鼻につく焦げ臭い匂い
一歩一歩歩くことすら躊躇いを覚えるような緊張感
それが辺りに広がっている―――
一刻も早くこの状況を何とかしないと、取り返しのつかないことになる!
それのみが少女の頭の中にあった
『協力者を集めないと、とりあえずアトラスに要請…しかし時間が間に合わないかもしれませんね』
頭に過ぎるのは以前知り合って間もないのに協力してくれた一人の少年
『この町に今もいるといいのですが…』
あれから何年かの日々が過ぎ去った、平和だったこの町には用もなく"故郷"に帰った少女は錬金術の研究に明け暮れていた
『ふぅ…』
思わず溜め息が漏れる
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