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紅い花みつけた
ガタン… ガタン…
石川 亮子は仕事帰りの地下鉄にいた……
据えた臭い… ホロ酔いの乗客達の煩い会話…
亮子はただ暗闇の窓を見ながら……たまに他の乗客と目が合い…視線を反らしたりしていた…
次はぁ… 馬喰横山…
まだまだ先ね……
亮子の住まいは瑞江…まだかなり先だ…亮子はまた窓ガラスに映る乗客を見つめていた……
一人の女が目に入った…あきらかに…不振な行動…女は周りをキョロキョロしながらたまに…紙袋から何かを出して食べていた…
薄汚れた服に……ボサボサの髪……年は多分…30代だろう…
ガタン… ガタン…
次は… 住吉…
女はいきなり何かを見つけた様に…立ち上がり…フラフラと電車を降りた…
亮子はそれを目で追っていた…
『うわっ!何だこれ…!』
先程の女の座っていた場所に座った男性は叫んだ…
その場所は…グッショリと濡れていて…異臭を放っていた……
亮子は場所を移動すると…ドアの近くでまた窓ガラスを見た…
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