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「素敵ー。工藤さん、さすが、由実さんをよくわかってるー。
由実さんっ明日はボンボンを釣ってる場合じゃないですよ!
森さん悩殺して、今度こそ彼女から奪っちゃわないと!」
「ムリムリ」
「またぁ。そうやって諦めちゃうんですか?
なんで由実さんは本気にならないの?
なんだか今の由実さん、あたし見ていられないですよ……」
「まどかちゃん」
私にくってかかるまどかを、工藤さんが制してくれた。
まどかを見つめながら静かに首を横に振っている。
「男なんて……誰もおんなじ。手に入らない人より、簡単にそばにいてくれる複数がいたほうがいい。」
フッ……と、烏龍茶を飲んでいた工藤さんが吹き出して、小さく笑った。
「昔、おなじようなこと言って酔い潰れて荒れてた奴がいたなと思ってさ」
「誰……お客さん?」
「そう。隼斗だよ。この店で酔い潰れた酒豪はただ二人。由実ちゃんとあいつだけ」
「ああ……藤谷隼斗……」
「由実さんの知り合いなんですか?もしかして森さんのお友達?」
「そう。私は、会ったことないんだけど名前だけ知ってる」
「きっと明日会えるよ。あいつは秀樹と仲良かったから。見てこい。ここで逆ナンされまくってた伝説の男を」
「えええ!すっごいのね。それは初耳ですよ」
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