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「ご注文はお決まりでしょうか……?」
「岩沢まどか、いる?由実が来たって言って」
命令に近いような口調でお願いをすると、
バイト君は、
「あ……は、はいっ!」
と迫力負けしたかのような返事をして、後ずさりするようにして厨房へと向かって行った。
まどかはかつてのバイト仲間。ひとつ年下の彼女は専門学校を卒業した二年前、とうとう就職が決まらず、そのままこのカフェに居着いたフリーターだ。
「あっ由実さぁぁん、いらっしゃいませぇ」
「久しぶり。今日は奥にいたのね」
「はい。あの子たちが、やっと使えるようになってきたから、こっちは任せて奥にひっこんでみました。大丈夫でしたか?」
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