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自宅に戻ると携帯が点滅していた。
着信がある。メールが届いていた。
由実からだ。
めずらしいな……。
「……こちらは朝から大変な雨です。ももが走り回り怖がっています。
この大雨……あなたとのドライブを思い出しました。
偶然にも今日は6月15日。日にちまで覚えていて、ごめんなさい。
だけど今日は、あなたの大切な日ではなかったですか?あなたがあれほど、固執していた日。
それとももう、あなたの中では、なかったことになっていますか?
あの時私がどんな想いをしていたのか、
考えられる大人になってくれたかなぁ?
まぁ、いいや。
今さら、あの時の私の気持ちを理解しろなんて、無理よね。私もよく思い出せなくなってきたし。
ただ、私を、忘れないで。
私と過ごした季節を、
忘れないで。
忘れな草の写真とともに
由実より」
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