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結局その日は、それぐらいしか話さなかった。
二次会のカラオケに移動すると、その日1番人気同士だった詩織と礼央くんが外に消えていなくなり、
残された6人は、なんとなく側にいる人と話をしていた。
当時私は、その少し前まで付き合っていた彼氏がたまたま高校生だったというだけで、周りには勝手に年下好きだと思われていたから、
その中で1番童顔で小柄な川崎晃を隣にあてがわれていた。
本当は、ひとつ年上で、すらっとした長身(元バレー部186cm)の、あの人に興味があったのに。
周りは皆、私のことを姉さんと呼び始め、酒をどんどん注文し
私は次々と運ばれてくるジョッキを華麗に飲み干していく(そんなことしなきゃいいんだよな)。
確かにお酒には強いし、身体は大きい(169cm)ほうだし、いつも実年齢より少し年上に見られがちだ。
しかし、こう言っちゃなんだが私は三月生まれで、実際には同級生のたいがいが私よりも兄さんであり、姉さんなのである。
その呼ばれ方に、慣れているフリしてたけど、姉さんと呼ばれることが実はあまり好きではなかった。
晃(チビ)うざい。
私の周りをちょろちょろするな。
と思いつつ、うまくかわすことができず、なんとなくそのチビと電話番号を交換した。
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