シミュレーションワールド

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 大学に入学して、大学まで行ったはいいけど、本当はこんなところもう嫌気がさしてる。嫌気がさしてるっていっても、別に勉強が嫌になったわけじゃない。大学で研究してるってことに妙にプライド持ってる奴とか、とにかく研究で名前をあげようとする奴。そんな奴らに嫌気がさしているんだ。  みんな、勉強が好きで、研究がしたくてここに来たんじゃないのか。大学の名前がほしくて来たのか? 有名になりたくて来たのか? 奴らといると、いつもこんなことばかり考えてしまう。だから僕はみんな帰ってから、深夜まで一人で研究を続けている。研究に没頭しているときが、僕にとって一番幸せなときなんだ。  午後11時、今日も一人、研究室に残ってコンピューターのキーボードをたたいている、冷めたコーヒーをすすって一息ついて、大きく背伸びをする。  ラジオでも聴くか、とラジカセに手を伸ばしたとき、突然部屋の中が眩しい光で包まれた。  慌てて振り向くと、弱まった光の中に人影らしきものが見えた。 「誰だっ?!」   机の上を手探りで、武器になりそうなものを探した。
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