シミュレーションワールド

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 彼は一気に話した。僕は、彼の話をすぐに飲み込むことができなかった。僕達はコンピューターによって作り出されただの、彼らは植物から進化しただの、信じられるわけがない。 「・・・わからないよ。そんな話、信じろっていうほうが無理だ。」  僕は、そう言うしかなかった。苦笑いしている彼の顔が視野に入った。 「そっか、そうだよな。じゃあもうひとつ教えてやるよ、今君が住んでいるこの地球は、あと2年後に宇宙の塵になるんだ。この世界のおろかな人間が作った、核兵器でね。今まで植物や動物達が守ってきた地球が、人間によって滅ぼされてしまうんだ。進化した高い知能が自らの命取りになるなんて、愚かなことだよな。」  核兵器・・・ 僕は何も言い返せなかった。 「行こう、僕達の世界へ。君を愚かな人間達の犠牲にしたくない。僕達の世界は争いや差別もなく、平和で平等な世界だ。みんな君を待っている。一緒に行こう。」  やがて辺りに柔らかい光が満ち、彼と僕を包み込んだ。
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