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フェンスの内側へと戻った佳苗は、まじまじと少女を見つめた。
青い髪の毛、真っ白な服装、年齢は同じ17くらい。
そして背中には服よりも真っ白な翼。
「…天使?」
「天使じゃないよー」
「悪魔?」
「真っ白な悪魔いないよー」
「その翼本物?」
「翔んでみよっかー?」
無表情のわりには間のびした声で少女はのんびり答える。
佳苗が頷くと、少女は背中の翼を広げ大空を舞った。
「すごい…なんなのアンタ」
「私は未風、あなたは?」
「………佳苗」
未風と名乗る少女はまた佳苗の目の前へと舞い降りると、佳苗の手をとった。
「佳苗、翼が欲しいんでしょ?」
「は…?なんで知ってるの?!」
いきなりの図星に、佳苗はびっくりして大声を出した。
「いやー、なんか分かるんだよね。習性?
まあ、それで何で翼が欲しいの?」
「何でアンタに説明しなくちゃいけないの」
佳苗のキツイ態度にも未風は動じず、きっぱり言った。
「聞くのが私の仕事だから。それに、私佳苗と話したいし…いいかなー?」
驚くほどのんびりで、無表情で、立派な翼を持つ少女に
佳苗は溜め息をつきながらもちょっと笑って、未風と話を始めた。
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