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「未風、笑ってる…」
佳苗の指摘に未風は驚き、自分の顔を触った。
そのときはもう、無表情になっていた。
「笑えたね、ちょっとだけ」
佳苗が優しく言うと、未風は、うん、と頷いた。
「翼は人の夢かもしれない。多分…生きてる限りは叶わない夢。
自分の背中から羽根が生えるなんて叶わないだろうしさ~」
佳苗が苦笑いをしながら言った。
未風は自分の小さな翼を見て、言った。
「夢は、幸せになる力。だからみんな夢を追うの。
私の夢を持つ佳苗…人間は幸せの源。微笑みの源。
そして佳苗達の夢を持つ私は佳苗達の幸せや喜びを祈る…」
「未風…」
二人は立ち上がり、未風はフェンスのてっぺんへ飛び乗った。
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