~別れ~

1/2
前へ
/11ページ
次へ

~別れ~

「もう佳苗は大丈夫そうだし、行くね」 佳苗は頷くと、笑った。 幸せそうに、笑った。 「佳苗、諦めないでね。みんな貴方の側にいる。 翼は精一杯生きて燃え尽きたとき、きっと手に入るから…」 「未風、…あのさ」 佳苗は少しうつ向き、もじもじしていたが顔をあげると、大きな声で言った。 「私が未風の喜びや幸せを祈ってあげる! いつか、人間みたいにいつでも笑っていられるように!! 未完成じゃない、立派な風になれるように」 その言葉に未風は、泣きそうになりながら何度も頷き、 空へと翔んでいった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加