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~別れ~
「もう佳苗は大丈夫そうだし、行くね」
佳苗は頷くと、笑った。
幸せそうに、笑った。
「佳苗、諦めないでね。みんな貴方の側にいる。
翼は精一杯生きて燃え尽きたとき、きっと手に入るから…」
「未風、…あのさ」
佳苗は少しうつ向き、もじもじしていたが顔をあげると、大きな声で言った。
「私が未風の喜びや幸せを祈ってあげる!
いつか、人間みたいにいつでも笑っていられるように!!
未完成じゃない、立派な風になれるように」
その言葉に未風は、泣きそうになりながら何度も頷き、
空へと翔んでいった。
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