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「いってきま~す!」
僕はドアを開けつつ未だ上手くはいっていない足を靴にねじ込みながら携帯の時計を見る。
時刻は8時30分。
吹き付ける朝の清々しい風と鳥の囀りがなんとも心地良い。
「ほら、弁当忘れてる。」
お母が奥の台所から慌ただしく来て、僕のバックに弁当を詰める。
「あ、学生服のボタンまた外して!ちゃんとしめていきな―――。
「い、いってきます。」
これ以上お母の説教はごめんだ。
僕は話を無視してそそくさと走り出す。
全く、まだ6月と言えどもう立派に暑い。
ボタン全部してたら蒸し焼きにでもなってしまうよ。
そう思いながら僕はゆっくりとスピードを落とす。
息を整えながら前を見ると暫く直線が続く一本道。
いつもと変わらずのどかだ。
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