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「宜虎も一緒に作ろ?」
「え゛……あー、遠慮しとく」
藤堂は自他共に認める料理下手なのだ。幕末の頃はまずまずだったが、現代じゃ味が殺人的だ
「練習したら簡単だよ。宜虎、頭良いからパッパッと出来そう」
頭が良くても料理がうまくなる訳ではない。しかし、春音の愛らしい笑顔に乗せられ
「じゃあ教えてくれ!!」
それが間違いだったと気付いたのは今から約一時間後である
「〇〇の…はい。お願いしまーす」
寿司のチラシを片手に受話器越しで今日の夕食を頼んだら、部屋の片隅で膝を抱える藤堂を慰める
「大丈夫だよ。幕末に出来てたんだから今でも出来るよ」
「いやだけどさ……なんで炭化すんだよハンバーグが」
三角コーナーに黒々したハンバーグが棄てられたのが藤堂の視界にはいる。いや、実際は入ってないのだが見てしまったら立ち直ることが出来なくなる
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