第一章 《鬼の血》

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藤堂の問いに目を丸くしたが直ぐに嘲笑の入った笑みを浮かべた 「鬼の僕には感情なんて無い。貴方の勘違いだよ」 「勘違いじゃねぇよ自分の面見てみろよ」 「貴方に僕の苦しみが分かる訳が無い…!!鬼の子と呼ばれ僕が外に出ると皆が逃げ、石を投げられる化け物の僕の苦しみが…!!」 魅胡は殺気を漂わせ藤堂を睨んだ 「鬼の子…?」 「僕は鬼の子だよ!僕の力欲しさに今まで育ててくれた人が目の前で殺されたんだ!僕にある感情は憎しみしか無いんだよ!!」 「っ…!!?」 「…僕が化け物だから傷の治りが早いんだよ」 落ち着きを取り戻しつつ刀を手にし出て行こうとするのを土方に止められた 「……離せ」 「鬼の割りには細せぇな。背は小ぃせぇし力が弱い」 魅胡は土方の胸あたりの背丈であり自然と土方が見下ろし魅胡が見上げる構図になる 「誰が何を言おうと僕は鬼なんだよ」
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