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「どうやったら返してくれんの?」
「間者かも知れねぇ餓鬼を易々と刀を返す訳ねぇだろ」
「………」
魅胡は懐から美しい扇を取り出し自分の手首に触れさせた
「何して……?!」
「なっ!?扇で斬れた…!?」
「この扇は人を殺める物。そして鬼の持ち物」
ポタポタと血が滴るが傷口は次第に閉じて行き出血も止まった
「これで分かった?それでもこんな化け物を此処に置く?」
「「「…………」」」
「ほらね?だから返してよ」
扇を再び懐に戻し土方の瞳を冷たく見る
「……十分利用出来る餓鬼じゃねぇか。尚更出て行かせる訳にいかねぇな」
ドクンッ
『にげ…て…!!は…や…く…!!』
「利用…?」
胸の心拍数が上がるのが分かるのと同時に魅胡の脳裏には嫌な光景がちらついた
「土方さん何を言って…!?」
「煩せぇ平助。こいつが居れば戦は楽になるだろ?」
ドクンッ…ドクンッ…
『魅……胡……はや……く…!』
『母様…!!』
「……だ」
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