《しばしのお別れ》

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今井 「そんな事より、今度木下さんが絵本を描くんですよ」 安原 「ほぉ。どんな話ですか?」 木下 「夢」 安原 「夢ですかぁ」 今井 「私昨日見ましたよ。初めて海外旅行に行って、帰って来たら『メゾン・サブリナ』が跡形も無くなっていて、途方に暮れるんです。このまま私の人生が終わるんじゃないかって。切ない夢でした」 安原 「あ、そっちの夢ですか」 今井 「何か間違ってます?」 木下 「夢違い」 安原 「ほら、夢違いですって」 今井 「梅沢富美男」 安原 「それは夢芝居」 今井 「分かってますよ」 安原 「将来の夢ですよね、木下さん」 木下 「(頷く)」 今井 「将来の夢ですか。安原さんの将来の夢は何ですか?」 安原 「自分の夢ですかぁ。一生春菜お嬢様に仕える事ですかね」 今井 「それが夢ですか?」 安原 「いけませんか?」 今井 「いいえ、相変わらず従順ですね。木下さんの夢は何ですか?」 木下 「殿堂入り」 安原 「漫画の世界にもそういうのがあるんですか?」 木下 「チッチッチ。名球会」 安原 「またその話ですか?」 今井 「それは無理でしょう。野球選手じゃないんですから」 木下 「夢は大きく」 今井 「断言します。絶対無理です」 安原 「まぁ夢ですから。じゃあ、管理人さんの夢は?」 今井 「よくぞ聞いてくれました。私の夢は豪華客船で世界一周です」 安原 「いいですねぇ」
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