始まり

10/15
前へ
/68ページ
次へ
――――・一刀の家 一刀 「うう~~っ、さみぃ……」 耳が痛くなるほどの寒さの中、俺は逆刃刀を一振り持って家を出た 軽く二、三度、刀を振って握り具合を確かめながら一人ごちる 一刀 「思い過ごしなら良いんだけど……」 正義の味方を気取るつもりはないけれど、一度思い立つと気になって仕方がない 一刀 「この厄介な性格……どうにかしないとなぁ」 自分で自分に呆れもするが、持って生まれた性格なんだ そうそう変わるモノでもない 一刀 「何も無い事を願って……行くか」 一通りの準備運動を終え、俺は気合いを入れるために声を発して資料館へと向かった ――――――― 一刀 「さみぃ~~~っ……。こんな寒い中、何か気になるっていう曖昧な感覚に従って出歩くなんて、酔狂な奴だ、俺ってば」 何も無ければ良いんだけど 一刀 「……かと言って、本当に何も無かったら、俺ってタダのバカってことだよなぁ」 …………… タッタッタッタッ 一刀 「……んっ?」 今、何か聞こえたような…… タッタッタッタッタッ 一刀 「………。誰かが来る…」 ちょ……どうする? 学校関係者なら特に問題は無いけど、もし俺が考えている不安が的中でもしてたら…… 一刀 「………」 とりあえずどこかに隠れよう!
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

639人が本棚に入れています
本棚に追加