始まり

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ヒュンッ! 男子学生 「……チッ」 一刀 「ちょ……てめぇ!何しやがるっ!」 男子学生 「……邪魔だよ、おまえ」 ビュンッ 一刀 「ちょっ………!人の話を………っ!」 男子学生 「聞く気は無い。死ね」 ヒュンッ、フッ!、ボゥッ! 無造作に繰り出される数多の蹴り その一つ一つが雑草を刈る鎌のような鋭さで、俺の急所を的確に狙ってくる 一刀 「く………っ!」 ビュッ! 一撃でも食らえば確実に骨が折れるであろう重い蹴りを捌き、俺は後ろに飛び退って少年と距離を取る 一刀 「ふぅー」 悪意に満ちた暴力を防いで、一息入れた 男子学生 「チッ……しつこいな」 一刀 「しつこいじゃねぇ……っ!てめぇ一体何者だ?どうして盗みなんてしやがるっ!」 男子学生 「盗み?……ああ、これのことか。これはおまえらには必要ないものだ。必要の無いものを奪って何が悪い?」 一刀 「な……っ」 男子学生 「それにこれは貴様には何の関係も無いものだろう。死にたくなければ尻尾を巻いて失せろ。そして今日起こったことを全て忘れろ」 一刀 「泥棒如きが偉そうに言うんじゃねえよ!盗人たけだけしいっ!」 男子学生 「あくまで邪魔をするのか?ならば殺してやろう。……突端を開かせる鍵が無くなれば外史は生まれず、このまま終わることができるのだからな」 一刀 「はぁ?なんだよそれ………っ!?」 男子学生 「もう語る言葉は持たん。死ね。うらぁーーーっ!」
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