桃園の誓い

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一刀 「キミたちは?」 劉備 「私は劉備。字は玄徳!」 張飛 「鈴々は張飛なのだ!」 関羽 「関雲長とは私のことだ」 一刀 「…………………………………………はぁ?」 劉備に張飛に関羽だって。それって三國志に出てくる人物の名前じゃないか ……あ。もしかして熱狂的ファンってヤツか?コスプレまでしてるし。ま、ゲームとかで流行ってるからなぁ 一刀 「……ってそうじゃなくて。あのさ、別にボケなくて良いから。普通に名前を教えて欲しいんだけど……あと、ついでにここがどこだかも、本当のことを教えてよ……」 関羽 「分からない人だ。先ほどからこの場所は幽州啄群だと教えているではないか」 張飛 「お兄ちゃんってバカなのかー?」 一刀 「え……」 バカと言われて、それに言い返そうとしたが、よくよく見ると、三人とも別に冗談を言っている雰囲気じゃない 一刀 「えーっと……マジでそういう名前なの?」 張飛 「そういう名前なのだ!」 劉備 「うんうん。ウソなんてつかないよねー。……ホントお兄さんって何者なの?」 一刀 「うーん……なんか自分でも良く分からなくなってきた……」 とほほ、なんて溜息を漏らしながら、俺は自分がどうしてこんなところに居るのか、可能な限り順を追って、記憶の糸をたぐっていく 一刀 「うん。冷静に考えても何が何だが分からんな」 こういうときにあれこれ推測しても、意味なんて全くない。とにかく現状把握に務めよう
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