桃園の誓い

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関羽 「その、たいむすいっぷ、というのはどういう意味なのです?」 一刀 「過去の世界にやってくるってこと、というか。ううむ……なんと説明すれば良いのやら」 もう何度目だろう。どうすれば良いのか分からず、思わず頭を抱えていると 劉備 「やっぱり……。思った通りだよ、愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!」 劉備と名乗った少女が、大きな瞳にキラキラとお星様を浮かべ、身を乗り出してきた 劉備 「この國のことを全然知らないし、私たちの知らない言葉を使ってるし、それにそれに、何と言っても服が変!」 一刀 「………」 いや、あなたたちほどでは無いと思うんだけど 劉備 「この人、きっと天の御遣いだよ!この乱世の大陸を平和にするために舞い降りた、愛の天使様なんだよきっと!」 関羽 「カンロが言っていた天の御遣い。……あれはエセ占い師の戯言では?」 張飛 「うんうん。鈴々もそう思うのだ」 劉備 「でも、カンロちゃん言ってたよ?東方より飛来する流星は、乱世を治める使者の乗り物だーって」 関羽 「ふむ……確かに、その占いからすると、このお方が天の御遣いということになりますが……」 張飛 「でも、このお兄ちゃん、強い気がするけど、何だかぜーんぜん頼りなさそうなのだ」 関羽 「うむ。天の御遣いというだけあって腕は立つのだろうが……英雄たる雰囲気はあまり感じられないな」 劉備 「そうかなぁ?……うーん、そんなことないと思うんだけどなぁ」 一刀 「………」 三人娘にジロジロと値踏みされては、いくら俺だって萎縮する。もう最っ高に居心地が悪い この状況を打破するためにも、何か行動を起こさないと……ということで、疑問に思ったことを口に出してみた
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