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引っ張られるまま、お店の中に入って────
で、たっぷりとご飯を食べて人心地を満喫。すると現金なもので、今の状況がそう悲観的な状況でも無いって思えてくる
一刀
「ふぅ~……」
なんて満腹吐息をついていた俺に
劉備
「それでね、北郷様」
劉備が姿勢を正して話しかけてきた
劉備
「さっきも説明した通り、私たちは弱い人たちが傷つき、無念を抱いて倒れることに我慢が出来なくて、少しでも力になれるのならって、そう思って今まで旅を続けていたの。
でも……三人だけじゃもう、何の力にもなれない。そんな時代になってきてる……」
関羽
「官匪の横行、太守の暴政……そして弱い人間が群れをなし、更に弱い人間を叩く。そういった負の連鎖が強大なうねりを帯びて、この大陸を覆っている」
張飛
「三人じゃ、もう何も出来なくなってるのだ……」
劉備
「でも、そんなことで挫けたくない。無力な私たちにだって、何か出来ることはあるはず。……だから、北郷様!」
一刀
「は、はい!?」
劉備
「私たちに力を貸してください!」
一刀
「ほわっ!?」
劉備
「天の御遣いであるあなたの力を貸してくだされば、きっともっともっと弱い人たちを守れるって、そう思うんです!
戦えない人を……力無き人たちを守るために。力があるからって好き放題暴れて、人のことを考えないケダモノみたいな奴らをこらしめるために!」
真っ直ぐな真っ直ぐな瞳。その瞳を興奮から少し潤ませながら、劉備は俺の手を強く握りしめる
そこから伝わってくるのは……真心というものだろうか
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