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歴史資料館に向かう並木道には、俺たちと同じような目的を持った学生たちがのんびりと歩いている
一刀
「そういやさ。今日は誰とデートなんだ?」
及川
「ムフッ♪な・い・しょ♪」
一刀
「内緒にする必要ないだろ。……あー、あの芹沢ってコか?」
及川
「グサッ!」
一刀
「それとも織戸ってコに紹介してもらった、水泳部の女の子か?」
及川
「グサグサッ!」
一刀
「……なんだ、違うのか」
及川
「シクシク……んなもん、とっくの昔にフラレとるわーっ!」
一刀
「フラレたにしては、次の恋が早いじゃねーか」
及川
「当たり前やないか。青春時代はたったの三年しかないねんで!一に恋あり!二に友情あり!三四と五にはセッ●スありや」
一刀
「猿だねぇ」
及川
「おうさ!猿さ!猿だともっ!」
一刀
「良いなぁ。……俺も猿になりてぇ!」
及川
「おう、なれなれ!やっぱ若い頃は猿やないと男やないからなっ!」
一刀
「いや、それはどうかと思うが……」
及川
「ふふーん♪ま、かずピーは独り身やしぃ?そう思うのも仕方ないなぁ」
一刀
「……」
……畜生
ちょっと自分に彼女が居るからって、いい気になりやがって
一刀
「あーっ、くそ。俺も彼女が欲しいなぁ……」
及川
「あんじょう気張りや、人生の落伍者くん」
一刀
「うっせ!偉そうに言うなっ!」
励ますように俺の肩を叩く及川の手から逃れようと、勢いよく身体を捻ったとき───
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