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一刀
「───」
大きく深呼吸をしたあと、固唾を呑んで返事を待っている三人に向き直る
一刀
「……分かった。俺で良ければ、その御輿の役目、引き受けるよ」
劉備
「ホントですかっ!?」
一刀
「ああ、一宿一飯……正確には一飯かな?その恩義だってあるし。俺で良ければ」
頬を紅潮させて喜んでくれた劉備の顔を、笑顔で見つめ返して───って、あれ?
劉備
「一飯の恩?」
関羽
「一飯の恩……ですか」
張飛
「一飯の恩……」
一刀
「ん?何?一飯って言葉、何かまずかった?」
劉備
「え、あの……んとですね、天に住んでた人なんだからお金持ちかなーと思って、ですね」
関羽
「天の御遣いのご相伴にあずかろうと……」
張飛
「つまり鈴々たちはお金を持っていないのだ♪」
一刀
「えーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
おかみ
「………ほぉー」
張飛
「げっ、なのだ!」
おかみ
「あんたら全員……一文無しかい!」
劉備
「あ、あははっ、ち、違うんです、えっと、お金を持っていると思ったら実は持っていなくて───」
関羽
「食い逃げなどをするつもりは──────」
おかみ
「言い訳無用!逃がしゃしないよ、みんな、出会え出会えぃ!」
ヒゲ
「おおー、おかみさん、食い逃げか?」
青年
「このご時世にふてぇ野郎どもだ」
男
「ギタンギタンにとっちめてやる!」
一刀
「ちょ、どこから現れたの、みなさんっ!?」
劉備
「ちょ、ちが……話を聞いてくださーーーーい!」
バシッ、ビシッ、バシッ、ドカッ
こうして────
無銭飲食を許して貰う条件として、俺たちはしこたま皿洗いをさせられたのだった─────
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