始まり

6/15

639人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
一刀 「これっていつの時代のモノなんだろうな?」 及川 「パンフレットには後漢後期とかって書いてるで」 一刀 「後漢後期っつーと……三國志の時代か。すげーな。1800年前ぐらいの遺物かよ」 及川 「……すげーな、かずピー」 一刀 「は?」 及川 「三國志とか1800年前とか。よーそんな知識もっとったなぁ、自分」 一刀 「なんで?こんなの常識じゃね?」 及川 「そんなもんが常識でたまるかい!かずピーってもしかして歴史マニア?」 一刀 「マニア……かめなぁ。田舎の爺ちゃん家にその手の本がめちゃくちゃたくさんあってさ。 ガキの頃は休みのたびに行って、修行の合間に読みあさってたんだ」 及川 「かずピーって田舎どこやっけ?」 一刀 「鹿児島。……っても、俺自身は生まれも育ちもこっちだけどなぁ」 及川 「ほー。……ってか、修行って何のよ?」 一刀 「剣術と刀工だよ。俺の家系は昔から道場と鍛冶屋をやっててな。俺も強制的にやらされてたんだ」 及川 「……かずピー、ホンマに今の時代の人間か?修行とか剣術とか。なんかキモイわ」 一刀 「言うに事欠いてキモイってなんだよボケ」 及川 「いやいやマジで。現代の男子学生が修行とかって、マジでおかしいて」 一刀 「仕方ないだろ。古い家系なんだから。道場主で鍛冶屋の息子が弱かったり、刀が創れないのは許せないって考えなんだよ。俺の爺ちゃんもオヤジも」 及川 「……よーグレへんかったな、かずピー」 一刀 「ま、剣術も刀も好きだったし。辛くはあったけどイヤでは無かったからなぁ」 及川 「んで、フランチェスカに来て剣道部に入って……そんなに強なって何がしたいん?」 一刀 「今の目標は俺より強い奴に勝つことかな。それよりも後のことはわかんね」 及川 「ほーか。ま、がんばりんさい」 励ますように俺の肩をポンポンと叩いた及川が、 及川 「おろっ?あいつ、さっきの奴ちゃうの?」 俺たちから少し離れた場所で展示物を見ている男子学生を指さす
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

639人が本棚に入れています
本棚に追加