始まり

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一刀 「お?ホントだ。あいつもここが目当てだったんだな」 及川 「理事長の強権発動で全校生徒の宿題になってもーたからなぁ。……けど、あんな奴、ウチの学校に居たっけ?」 一刀 「ん?……そういやそうだな」 聖フランチェスカ学園は元女子校で、つい最近になって共学になったから男が極端に少ない 一つのクラスに男子生徒が一人って割合だから、学年が違わない限り顔見知りなんだが…… 一刀 「見たことないな。一個下か?」 及川 「あの威圧感で俺らより一個下?……末恐ろしいガキすぎやで、それ」 一刀 「まぁな~。……それにしてもあいつ……」 及川 「何よ?はっ!?やっぱりかずピーはウホッ!やったんやっ!?」 一刀 「違うって。……あいつ、すげーぞ?」 及川 「サラッと流さんといてや……。んで、すげーって何がすげーん?」 一刀 「隙が無い。立ち姿からでも結構な使い手っていうのが分かる」 及川 「……キミどこの剣豪?つか、なんでそんなん分かるねんっ!かずピーおかしいで!?」 一刀 「いや。武道をやっている人間なら、雰囲気とか立ち居振る舞いとかで、そういうことってある程度分かるもんなんだよ」 及川 「えー……絶対ウソや」 一刀 「マジだって。……でも、あれだけの使い手なら、絶対に知っているはずなんだけどなぁ」 一刀 「廊下ですれ違ったり、遠目に見たり。それだけでもある程度印象に残るものだし」 及川 「あれぐらいイケメンやったら、俺も顔覚えてると思うねんけどなぁ。……呪うために」 ふふんっ、と気持ちの悪い笑みを浮かべる及川に苦笑しながら、俺は男子生徒の方に注意をむける
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