序章

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「おばばの話を 聞いてくれるかね? なぁに… ただの昔話じゃよ。 …その昔なぁ, 念使いは人間界に住んでおった。 人間と共に助け合って住んでおったんじゃ。 だがなぁ,種族が違うというのはどうしても分かり合えぬものでなぁ, 対立してしもうたんじゃ。 理由は簡単なことでな、 念使いが術を使う時に出す霧で,作物が上手く育たんと人間が言い始めたんじゃ。 残念ながら念使いは,霧をより多く出すことで格を競う。 霧なくしては念使いとは言えんのじゃ。 昨日まで平穏に暮らしていた2つの種族には亀裂ができてしもうた。 念使い達は心底不快に思ぉてなぁ…。 そりゃそうじゃ。 昨日まで術を頼りにしていた人間達が,急にその術に文句をつけるんじゃからなぁ。 念使い達は人間達に失望した。 そこで有力な念使い達が集まり,この霧界を作ったのじゃ。
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