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「まぁ睦様…まだ千代がおりますのに…。」
照れた様子の美弥。
睦はそんな言葉を聞いていない。
愛しくてたまらない美弥を今度は抱き締めた。
「それじゃ姉上,私は失礼しますね。」
睦の肩越しに,ニヤニヤ笑いを浮かべながら部屋を出て行く千代の姿が目に入った。
「千代ったら…。」
フーッと鼻から長い息を吐いた後、
観念したように、否、幸せそうな顔で美弥は自分の腕を睦の背中へ回す。
「千代ちゃんには悪いことをしちゃったかな?」
片方の口角をあげて、反省した様子など微塵もない睦。
睦の背は,背の高い美弥よりも更に大きかった。
爽やかな短髪で,袴が良く似合う。
顔は大きな目が特徴的で,その瞳は黒かった。
「ところで美弥?」
「何ですか?」
美弥は睦の体から顔を離す。
「今日は王に,泊まって行けと言われているんだが…良いかな?」
「……ええ,もちろん。」
にっこりと答えた美弥。
2人は既に゙そういゔ関係だった。
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