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「では…父上にお会いしてきたのですね?」
「ああ。
君と会う前に少しだけ王室に寄ってくれ,と朝早く通達が来てね。」
「今日はどんなご用件でしたの?」
賢い姫は、王位継承者として幼い頃から様々なことを学んできている。帝王学を始め、医学、世界史、経済学まで多くの知識を習得してきた。またはしている途中である。
それ故に、国政に興味のある美弥。
今この国で何が起きているのか知りたくてしょうがない。
かと言って、国の重鎮や父王に聞いたところで誰1人として若い姫に国の機密を話そうとする者はいないのだった。
そこで,若くして大臣の職に着いている睦に,そして恋仲で将来を誓い合った睦に、こっそり情報を流してもらっているのだ。
「全く美弥は…。」
毎度ながら呆れる睦。
「どんなご用件だったんですか?」
気の強い美弥。
さすがは一国の姫だ。
だが今日の睦の反応は芳しくない。
「……悪いけど,今日のことは王に口止めされてるんだ。」
「口止め?何故ですか?」
尚も質問してくる美弥に,睦は困り果てる。
「美弥…分かってくれ。」
そう言って再び美弥を強く抱き締めた。
「何を分かれとおっしゃるのですか?」
教えてもらえないことが不満なのか,少し反抗的になって睦の腕から逃げ出そうとする美弥。
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